寿一、覆面レスラーだったことを告白
覆面レスラー「スーパー世阿弥マシン」としてリングに上がりながら、能楽を続ける観山寿一（長瀬智也）。観山踊介（永山絢斗）、長田舞（江口のりこ）、観山寿限無（桐谷健太）らの兄弟は行き違いのため、家に寄り付かなくなる、やむなく父・観山寿三郎（西田敏行）を介護施設に入れることになる。
寿三郎は施設から脱走したことが原因で、三度の脳梗塞の発作を起こす。
父の発作が原因で、兄弟はまた家に戻ってくることになる。
寿三郎は、弁護士である踊介に、最期は自宅で家族に見守られながら、死にたいと伝えていた。
危篤状態になった寿三郎を元気づけるために、寿一はスーパー世阿弥マシンの姿で現れた。
寿一はスーパー世阿弥マシンであることを告白したが、兄弟たちはみんな知っており、見て見ぬ振りをしてくれていたのだ。
家族揃って寿三郎にさんたまプロレスの掛け声をかけた。
それに刺激された寿三郎は奇跡的に回復する。
寿一は能楽に専念するために、プロレスの引退を決意し、最期のリングへ向かうことになる。
プロレス引退！ 能楽一筋に挑む
寿一の年末の引退試合は敵に散々やられて敗北したが、無事終えることができた。
2022年1月15日。
観山家も再び家族で食卓を囲むようになった。
寿三郎はあれから奇跡的に回復し、新春能楽会の舞台にも上がることになる。
翌日1月16日、新春能楽会が始まって、挨拶の時に、寿三郎はシテ方は長男寿一が舞うと言うが……
そこに寿一の姿はいない。
シテ方の衣装は寿限無が着ている。
寿三郎は寿一がいないのを不審に思うが、みんなうなだれて本当のことを話すことができない。
寿一の死
冒頭に登場した寿一は亡霊で、既に寿一は年末の引退試合で死んでいた。
試合中の事故で意識不明になり、そのまま帰らぬ人になった。
寿三郎のために準備していた葬儀がそのまま、寿一の葬儀で使われることになった。
寿三郎のために長州力が書いた戒名も寿一のものに……
しかし、ショックのあまり寿三郎は一人だけ、寿一の死を理解できなかった。
寿三郎にだけは寿一の幽霊が見えていたのだ。
能舞台の最中でも、寿一は寿三郎の近くにいた。
寿一はまだ、自分が死んだと自覚できていなかった。
舞台の上で寿一の息子の観山秀生（羽村仁成）が、1時間も箱の中に入って出番を待っていた。
元妻ユカは、秀生の成長ぶりに目を細める。
寿一は、秀生と一緒に舞台に上がろうとするが、寿三郎は引き留めた。
寿三郎は寿一が死んだのは自分のせいではないかと悔やんだ。
母の月命日。帰りにラッキーなことが重なった。
信号が7回連続で青になり、パン屋の前で藤田ニコルと出会い、友達になれた。
くじで5万円当たって、お歳暮で数の子を貰って、数の子を1切を一人締めできるかもしれない。
幸運が重なりすぎて、今日死んでしまうかもしれないと恐れた寿三郎に代わって、寿一が数の子を食べた。
寿三郎は寿一の魂をねぎらった。
家族の絆を取り戻すために、プロレスをしながら、能楽、介護をこなした。
「人間国宝にはなれなかったが、おまえは家族の宝だ。人間家宝だ」
寿一ははじめて寿三郎に誉めてもらい、満足することができた。
さくらが観山家に墓参り行くと、そこへスーパー世阿弥マシンの姿の寿一の霊が現れた。
寿一はさくらに「観山家を頼む」と告げ、消えて行った。
それからの観山家と仲間たち
それから1年後、寿三郎は車椅子のまま、元気に暮らしていた。
さくらと踊介が結婚し、弁護士を続けながら能楽の稽古に励んでいる。
寿限無は寿一にかわって次代宗家を襲名した。
秀生は、通常の中学校に進学できて、舞に勉強を教わりながら、能の修行も続けている。
長田大州（道枝駿佑）は父・O.S.D（秋山竜次）の跡をついで、ラーメン屋をしながら、のちにYou Tuberになる。
プリティ原（井之脇海）は亡き寿一の意志を継ぎ、二代目スーパー世阿弥マシンを襲名した。
その試合の最中、長州力はリング際にスーパー世阿弥マシンになった寿一の姿を見た。
思わずリングに上った寿一は、長州力にラリアットを浴びせた。
ファイトポーズを決めたスーパー世阿弥マシンだが、次の瞬間には消えていた。
残っていたのはマスクだけだった。
ドラマ「俺の家の話」第１０話 目次へ