前科者が再犯!駒沢義男(小日向文世)の判決は正しかった?
ガラス職人の藤代省吾(岡田義徳)が、公務員の野上哲司(成松修)を殺害。
遺体を工房の焼却炉へ放り込んだ。
殺害の動機は嫉妬。
藤代は、自身のガラス教室に通う少女・野上碧(渡邉心結)の母親である、野上奈緒(佐津川愛美)に恋をしていた。
野上奈緒はシングルマザー。
しかし、野上哲司と出会い、二人は結婚した。
これを一方的に恨み、自分の恋心が実らなかったことを藤代が逆恨み。
恨みの矛先は野上哲司へ向かい、藤代を殺人へと駆り立てた。
被告人として裁かれることになった藤代は、裁判官として法壇に座るイチケイの部長・駒沢を見て驚く。
駒沢は、以前、自分を裁いた裁判官だったからだ。
藤代に前科を言い渡したのが当時の駒沢。
裁いた者と裁かれた者が、以前と同じ立場で再び対峙することに。
刑期を終えた藤代は、なぜ再び罪を犯したのか。
駒沢が下した、藤代への当時の判決は正しかったのか。
第三話の焦点はその2つに絞られる。
18年前に藤代を変えた警察官。検察の不手際を暴く駒沢
話は、藤代が最初に罪を犯し、逃亡を図った18年前にさかのぼる。
ビルの屋上から身を投げようとする藤代を説得した警察官だいた。
その一件があり、出所した藤代は、まっとうになろうとした。
これを藤代の保護観察官が証言。
手に職をつけ、ガラス職人となった藤代は自分の工房を持つまでになった。
ガラス教室を開き、社会とのつながりも持った。
教室には老若男女が集まった。
野上碧もその一人だった。
熱心にガラス細工を学ぶ彼女の姿勢に、藤代は応えた。
そして、彼女の母・野上奈緒と出会う。
ここから藤代の一方的なラブコールが始まり、野上奈緒へのつきまとい、嫌がらせが続く。
そのさなかに、野上哲司が現れた。
二人は恋に落ち、結婚。
これを面白くないとして、藤代が犯行に及んだ。
というのが検察の起訴内容だったのだが、実は、藤代省吾のでっちあげ話だった。
一切の証拠がなく、藤代の自白のみという事件。
これを警察は裏どりせず鵜呑みにし、ほとんど捜査が行われていないことを駒沢が突き止める。
真実は、こうだ。
野上碧の父親は前科者だった
野上哲司は、野上奈緒に暴力をふるっていた。
結婚後に明らかとなったDVだ。
これに耐えられなくなった娘の野上碧が、室内にあった花瓶で応戦。
当たり所が悪く、野上哲司を死なせてしまう。
呆然とし、座り込む野上碧。
そこに携帯電話が鳴る。
相手は藤代省吾だった。
「どうしよう、あの人を死なせてしまったみたい」
野上碧は藤代に助けを求める。
急いで野上宅へ向かう藤代。
着くと、野上碧をなだめた。
「大丈夫だ、碧ちゃんは何も心配しなくていいから」
藤代は遺体を車のトランクに乗せ、自分の工房へ走らせた。
到着後、遺体を焼却炉へ。
そこに、娘から事情を聞いた野上奈緒が駆け付けた。
「あなた、一体、なにをやっているの」
これに藤代が答える。
「君に出会わなければ、俺は死んでいた」
「罪をあなたがかぶるなんて、ダメよ」
藤代は歩み寄り、両手で力強く、野上奈緒の腕をつかみ、懇願した。
「頼む。俺が“あの娘”にしてやれる、最初で最後のことなんだ」
野上碧は、藤代省吾の実の子だった。
話は再び18年前へ。
以前、駒沢に有罪判決を下された藤代は刑務所に入った。
そんな藤代に何度も面会した警察官がいた。
藤代に、自殺を思いとどまらせた警察官だ。
その警察官は、当時、新人として地域の交番に配属されたばかりの野上奈緒だった。
自暴自棄となり、ビルから飛び降りようとしていた藤代を説得した野上奈緒は、服役中の藤代も支えた。
藤代は、そんな彼女の気持ちに応えた。
出所後、藤代と野上奈緒は結ばれ、子どもを授かる。
これを機に結婚しようと提案する野上奈緒。
これを藤代が拒否。
藤代は、自分の前科で、生まれてくる子どもを苦しめたくなかった。
藤代は野上奈緒の前から姿を消した。
18年後、藤代はガラス職人として独立するまでになった。
ガラス教室を開き、社会とのつながりも持った。
教室には老若男女問わず集まった。
一人の女の子は、特に熱心に通った。
「ガラス職人になりたい」そう言いだした。
その娘の母親は、野上奈緒だった。
そして、野上哲司が現れ、野上奈緒は彼と結婚し、DVが始まり、野上碧の事件が起きた。
これをかばい、自分の実の娘である野上碧の罪を藤代はかぶろうとしたのだった。
このウソを執念の捜査で駒沢が見破った。
そんな駒沢を入間みちお(竹野内豊)が職権を発動し、サポートしたのが第三話だった。
次回予告
合議制の裁判長を任される坂間千鶴(黒木華)が、少年犯罪を裁く。
職権を発動しまくって好き勝手捜査しまくるみちお、被告人のウソを見破る執念の裁判官・駒沢の二人に挟まれ、千鶴はどんな判決を下すか。
ドラマ「イチケイのカラス」第3話 目次
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