永遠の別れ……と思ったら、意外と早く帰ってきたのね
蓮田倫太郎(綾野剛)は海難事故で母を失った星ヶ浜に子供の頃からの夢だった水中展望タワーを造るために、ロンドンから戻って父が会長の蓮田トラストの開発プロジェクトのリーダーを務めることになった。
しかし、芝浦海洋大学の鴨居研究室から派遣された環境アドバイザーの渚海音(石原さとみ)とことごとく意見が対立。
実は海音は1年前に海からきた使者で、星ヶ浜の環境を守るために倫太郎の意見に反対だった。
ことごとく意見が合わない2人だったが、星ヶ浜を守りたいという気持ちは一緒だった。
やがて2人は恋に落ちていくが、倫太郎の兄・蓮田光太郎(大谷亮平)の狙いはレアメタルなどの海底資源にあった。
3男・榮太郎(渡邊圭祐)は兄の対立を止めるために持ち株を売却するが、それは中国系投資家が蓮田トラストを乗っ取り、カジノを作るための陰謀だった。
海音の論文が世界的に評価されて、蓮田トラストの株価が跳ね上がり乗っ取りは阻止された。
倫太郎はトラックにはねられそうになった海音をかばって頭を打ったことが原因で意識不明になった。
夜中に意識を取り戻し、海音を探して星ヶ浜へ急いだ。
地上にいる限界が来た海音は海に戻っていく。
海音をずっと待つために
倫太郎は海音と別れて、涙をこらえられない。
1週間後、倫太郎はプロジェクトチームに、タワーのかわりに陸と海をつなぐ全く新しい水族館を造るという。
YouTuberMr.エニシ(福山翔大)は海音の別れのメッセージを鴨居研究室に託した。
倫太郎や榮太郎をまじえて、みんなで海音の動画を鑑賞した。
海音は1年間の鴨居研究室の仲間との思い出を語った。
鴨居正(橋本じゅん)、椎木拓真(水澤紳吾)、染谷醍醐(高橋努)、宮前藍花(今田美桜)。
1年の短い間だったが、海音はまわりの人にとってかけがえのない存在で、海音にとっても出会った人たちは家族のようになっていた。
海音と知り合う前の倫太郎はギスギスしていたが、今はすっかり別人のように穏やかな優しい人間に生まれ変わっていた。
ぎくしゃくしていた蓮田家の兄弟が元のように仲良くなったのも海音のおかげ。
倫太郎は星ヶ浜で海の家を開いて、海音が満月の夜に現れて去ったように、満月の夜には砂浜に出て海音が戻ってくるのを待っていた。
3年後のそれぞれ
倫太郎の念願の海と繋がる水族館は完成し、自然に溶け込んでいると好評だ。
宮前藍花(今田美桜)は海音にかわって、環境アドバイザーに就任した。
エニシは蓮田トラストに入社、父蓮田太郎(鹿賀丈史)は完全に引退して自宅でゆっくり過ごしている。
椎木拓真(水澤紳吾)はなんと教授に昇進して、女子学生から大人気だった。
そして、運命の再会
倫太郎は毎日を星ヶ浜で過ごして、いつまでも海音が戻ってくるのを待っていた。
いつものように日暮れが近づいて片付けをしていると、
「倫太郎さん」と呼ぶ声が……
ふり返ると、海音が砂浜に立っている。
海音は倫太郎の胸に飛び込んだ。
そこに鴨居研究室や蓮田トラストの仲間も駆けつけ、優しく出迎えた。