20年間別れていた父と子の道が再び1つに……
ブリザード寿こと観山寿一(長瀬智也)は40歳を過ぎた盛りを過ぎたプロレスラー。
大手の団体出身でかつては花形だった時代もあった。
しかし海外遠征で負った怪我のために低迷し、今は小規模団体に所属していた。
年齢のため体力の限界を感じている。
実は寿一は能楽の家元・観山家の長男だった。
窮屈なしきたりと後継者になるプレッシャーで家を飛び出して、25年以帰らずじまい。
弟子に囲まれ気が休まらない実家の生活に反発し、小さくてもいいから温かい家族を作りたいのが夢だった。
一度は結婚したものの、借金を抱え、離婚。
小さな幸せもはかなく崩れた。
元妻に引き取られた小学5年生の一人息子秀生(羽村仁成)は学習障害を抱えている。
そんな時、父・寿三郎(西田敏行)の危篤の知らせが飛び込んできた。
寿一、宗家継承を決断
寿一は妹舞(江口のりこ)、弟踊介(永山絢斗)、芸養子の寿限無(桐谷健太)から一昨年、寿三郎は脳梗塞で倒れ、すでに余命が少なったことを知らされた。
父の死後を検討する弟妹たちを見て、寿一は父と過ごした少年時代に思いを馳せた。
普段は能楽のこと以外は全くしゃべらない寿三郎と寿一が、唯一コミュニケーションが取れる時がテレビでプロレス観戦している時だった。
父に褒められたい一心でプロレスに邁進した。
思いがこみ上げた寿一は意識のない父に向かって、宗家を継承すると誓った。
寿一はプロレス引退を決意した。
しかし、引退興行が終わった直後、知らせが入った。
なんと寿三郎が回復して退院したというのだ。
父奇跡の復活!宗家継承は拒否そして父の側にいる介護ヘルパーの正体は?
復帰した寿三郎は関係者の前で、自分の余命は半年、長くて1年だと告げた。
そのうえ、介護ヘルパーの志田さくら(戸田恵梨香)と結婚し、財産は全てさくらに譲ると宣言。
寿一は一銭にもならないことを承知して、能楽の稽古と父の介護をはじめる。
寿三郎を風呂に入れ、衰えた父の様子を見てやりきれなくなる寿一。
認知テストでは簡単な野菜や数字も出てこず、寿三郎は介護レベル1と判定された。
意気消沈する寿三郎だったが、身に染み付いた能の謡の文句はすらすらと出てくる。
寿一は「八百屋じゃないんだから野菜の名前なんて出てこなくていい」と父を受け入れた。
寿一が子供の時にはオムツ替え、風呂入れを一切やらなかった寿三郎。
神事である能楽を穢してはならなかったと言う。
「親の介護を子供がするのは当たり前だ」寿三郎のオムツ替え、風呂入れを前向きに行う寿一だった。
介護と能楽の二重生活がはじまる
ドラマラストで踊介がスマホでさくらが後妻業ではないかという情報を発見。
果たしてさくらの正体は?
25年ぶりに帰ってきていきなり宗家継承するという寿一は門弟たちから猛反発を受ける。
能楽の道にもどると決めて、はじめての試練。
寿一は乗り越えられるのか?