自宅で殺害された母親、現場は密室。
娘は自分が殺したと供述しますが果たして・・・。
引きこもりの娘と母
ビル清掃員・宮川文子は自宅の密室で殺害されました。
第一発見者の同僚によると、宮川は有名商社で働く娘がいるが家を出て現在は1人暮らしだと言う。
2階の部屋から物音が聞こえ浅輪直樹(井ノ原快彦)と新藤亮(山田裕貴)が部屋に突入すると、娘の雪を発見する。
そして、雪は自分が母を殺したと自供します。
携帯の最後の履歴が成瀬聡美法律事務所だったことから、小宮山志保(羽田美智子)が事務所を訪れると、小宮山は明日に行なわれる裁判の重要証人だったことが判明する。
娘で同じく弁護士の莉子と裁判に参加する予定でした。
裁判で莉子はICレコーダーに録音された文子の証言を提出します。
雪のアリバイ
周囲に娘はバリバリ働いていると語っていた文子ですが実際、雪は引きこもりの状態でした。
新藤と国木田誠二(中村梅雀)は雪が通っていたカフェで話を聞くことに。
雪は、ショップが運営するハリネズミの生配信に「毒舌ハリコ」という名前で、事件のあった時間も熱心にチャットを送っていたようでした。
さらに個人のチャットでは「ハリネズミ君」という人物が頻繁に会話していたようで、浅輪はハリネズミ君を名乗り、雪からもう一度チャットで話を聞きます。
浅輪が偽物であることはすぐにバレてしまいましたが、素直に気持ちを伝える浅輪。
「君とちゃんと話がしたい」という浅輪の言葉にビデオ通話を始めます。
発見した時には文子は既に殺されており、誰にも気付かれたくなく、玄関の鍵を閉め密室にしたと言う。
さらに透くんが自分のせいで死んだとこぼします。
引きこもりの原因
雪には15年前付き合っていた原田透という人物がいました。
透は首吊り自殺をしており、裁判の一審では過労による自殺だったにも関わらず、二審では恋人である雪に振られたことが原因だったと覆ったようです。
そしてこの裁判に参加していたのが聡美でした。
雪は聡美に悟を振ったと証言するよう強要されており、さらに居酒屋の同僚にも口裏を合わせるように仕向けたのです。
透が働いていた居酒屋の同僚も妻の妊娠と重なりお金が必用だったため、虚偽の証言をしてしまいました。
文子はこの居酒屋の同僚を問い詰め、聡子の署名が入った覚書を手に入れます。
母を想う娘・娘を想う母
文子は聡美に、雪に真実を話して恋人が自殺した原因は雪のせいではないと証言してくれと頼みますが、聡美は土下座し1000万円を渡すからと、もみ消そうとします。
そんな取り調べの様子を莉子も見ていました。
文子の証言が入った音声を聞き直していると、音声が一部切り取られていることに気付きます。
復元させるとそこにはハリネズミの鳴き声が入っていました。
母の洗脳
文子を殺したのは莉子だと判明し、事務所を訪れる浅輪と小宮山。
事件当日、莉子は文子の証言を録音しに自宅に訪れていました。
雪のパソコンのヘッドフォンが抜けて音声が漏れて録音され、これは莉子が自宅を訪れていた証拠でした。
目的は文子の持つ覚書を奪うため。
昔から母がしたくない悪の部分を莉子が担うように、操られてきたと訴える莉子。
ゆがんだ親子関係が招いた殺人事件でした。
ハリネズミ親子の結末
浅輪は雪に、文子か修理に出していたパソコンを返却します。
そこには自分がもし死んでしまっても雪が生きていけるように、自立させるための愛情深いプランが書かれていました。
最後には「どんなことがあっても味方だ」と締めくくられていました。
雪は会話していた「ハリネズミ君」の正体が、文子であったことに気付きます。
文子はハリネズミの友達として雪に寄り添い、前を向かせようとしていたようです。
「ハリネズミの泣き声、お母さんには聞こえていたんだね」
浅輪の言葉に雪は涙を浮かべながらしっかりと頷きました。
「特捜9 season4」第8話 まとめ
言葉では上手く伝えられないことも、メッセージなら伝えられるってこともありますよね。
過度な期待を強いていた過去の過ちに気付き、慣れない手つきで雪にチャットを送る文子の姿にウルッとさせられました。