いよいよ篠田の裁判がはじまった。
裁判未経験だと言う麗子が対するのは公判部のエース検察官だった。
麗子は6年前の強盗殺人事件の真犯人を見つけ、真実にたどり着けるのか。
第10話:あらすじ&ネタバレ
裁判開始
6年前に起きた『十ヶ浜強盗殺人事件』の裁判が行なわれようとしていた。
剣持麗子(綾瀬はるか)が裁判で戦う相手は、公判部のエース検察官・三瀬。
裁判がはじまり、証人尋問が行なわれた。
証言台に立つのは、あの日パーティーに参加していた町の住民たち。
パーティーで出すお酒を配達していた瀬戸は、篠田と被害者が言い争う声を聞いていた。
被害者との間で「必ず返すから」というやりとりの会話を聞いたと瀬戸が証言する。
しかし篠田の供述によると、被害者に借りたお金は830円だった。
事件の前日篠田が港に到着すると、財布を落としてタクシーに乗れず困っている人を見かけた。
篠田はその人物にタクシー代を渡したのだ。
しかしそれは篠田が所有する有り金の全てだった。
その後タクシーでレストランまで来た篠田は、被害者からタクシー代を借りた。
830円が殺人の動機になると思えないと主張する麗子。
見えてきた真実
次の日、証言台に立ったのは『プロメッサ』の従業員・美月だった。
入り口付近で受付をしていた美月。
しかし受付の横を通り外に出たと供述する篠田を美月は見ていないと言う。
麗子は事件の前日、財布を落としてタクシー代に困っていた美月を篠田が助けたことを主張する。
篠田と再会した美月はタクシー代を返そうとしたものの、篠田には受け取って貰えなかったと言う。
事件の夜、篠田は夜風に当たりに外に出てベンチで居眠りをしてしまった。
レストランの外には営業の開始と終わりを知らせる旗が立てられていた。
この旗の上げ下げは当時プロメッサに入りたてだった美月の役割だった。
外で眠っていた篠田は寒さで一度目を覚まし、店に戻った。
そのとき旗は下がっていたと供述している。
美月が旗を下げに外に出たのでは?と聞く麗子。
さらに篠田はタクシーで港まで行き、連絡船に忍び込んだと供述している。
しかし財布に一銭もなかった篠田がどうしてタクシーに乗ることができたのか。
篠田のポケットには身に覚えのない小銭が入っていた。
ちょうど港までのタクシー代830円。
篠田に受け取って貰えなかった830円を眠っている篠田のポケットに忍ばせ、ストールをかけたのでは?と問う麗子。
美月はようやく、自分が篠田にストールをかけた事を認めてくれた。
必要な人間
麗子はプロメッサに、事件の関係者全員を集め推理を語る。
十ヶ浜強盗殺人事件と診療所の医師・高瀬の死は無関係ではない。
高瀬の死因は自殺だったのだ。
篠田が居眠りから目覚め店の中に戻ったとき、まだ店の中にはパーティーの参加者がいた。
警察はみんなが帰ったあとに篠田が被害者を殺したと考えていた。
しかし篠田が店に戻ってきた時すでに、その場所に遺体が存在していたのだ。
被害者はここに来ている全員の前で殺された。
そして全ての罪を全員で篠田になすりつけたのだ。
被害者・小笠原を刺したのは自殺した高瀬だった。
小笠原は土地を担保に金を貸しながらこの町を支配していた。
そして町には、リゾートホテルを建てる計画があがっていた。
小笠原は担保に入れさせたみんなの土地を開発業者に売り渡す計画だったのだ。
汚いやり方に怒りを覚えた高瀬は、そのままナイフで小笠原を刺してしまった。
高瀬が警察を呼んでくれと言う一方で、町のみんなはどうにか誤魔化す方法を考えていた。
そんなとき、店に篠田が帰ってきて再びソファーで居眠りをはじめたのだ。
篠田には身寄りがなく、天涯孤独の身という話を偶然聞いていた町人たち。
高瀬はこの町に必要で篠田はいらない、そう判断したのだ。
あんたさえ戻ってこなければと篠田に向かって怒りをぶつける住民たち。
そんな中、ついに麗子が吠える。
「ふざけたこと言ってんじゃないわよ。必要ない人間なんていない、篠田は私にとって必要な人間です!」
篠田はそんな麗子の言葉を聞き、涙を流す。
高瀬が自殺したのは、篠田に罪をきせてしまった罪悪感に耐えられなくなったから。
「あなたたちの安易な考えが最も必要としていた人を殺したのよ」
住民たちは篠田から6年間という歳月を奪った。
その間篠田は透明人間として身を潜めて生きるしかなかったと話す麗子。
「私は本当に腹が立ちます」と言い残し麗子は篠田を連れて店を出た。
遺言書
裁判の最終判決で、篠田は無罪を言い渡された。
傍聴席には栄治の兄・富治がいた。
てっきり栄治が傍聴席にいるのかと思ったと話す麗子。
栄治がいなかったら、僕は未だ透明人間のままだったと呟く篠田。
栄治の遺言状が自分と麗子を引き合わせてくれた。
麗子は「私に残した栄治の遺言、借りは返しましたよ」と富治に告げた。
事務所に戻ってきた麗子と篠田。
これからどうするの?と聞く麗子。
ここに残ってもいいが、給料は初任給くらいしか出せないと前置きする。
そんな中、津々井が事務所にやってきて例の約束の話をはじめた。
篠田の身元引受人になる代わりに、事件が片付いたら津々井の事務所に戻るという約束。
「あの約束辞めました」と言う津々井。
津々井は何だかんだ理由を付けて、あの約束を破棄してくれたのだ。
篠田と麗子はまたくだらない口げんかをしながら、いつもの日常へと戻っていった。
「元彼の遺言状」第10話あらすじ・第11話見どころ【篠田作家デビュー!?麗子不在で事件連発】
篠田を6年間苦しめた冤罪。
犯人は町の住民に慕われる医師・高瀬だった。
高瀬は、篠田に罪をきせてしまった罪悪感に耐えられなくなり自殺。
そして篠田に罪をなすりつけたのは、パーティーの参加者全員だった。
冤罪が晴れた篠田は、麗子の事務所でこれからも働き続けることになった。
晴れて自由の身となった篠田は夢だった作家デビューに向けて再び動き出す。
ひょんなことから出会った編集者に小説を読んでもらった篠田は大絶賛され、思わぬ形でデビューが決まるが・・・。